「結局、私にはどんなシャンプーが合うんですか?」
美容師をしていると、よく聞かれる質問です。
ドラッグストアや美容室には、本当にたくさんのシャンプーがあります。
しっとり。
さらさら。
ダメージケア。
ボリュームアップ。
スカルプケア。
カラーケア。
選択肢が多いからこそ、「何を基準に選べばいいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
私がシャンプーを選ぶときに大切だと思っているのは、髪質だけで決めないことです。
頭皮の状態。
髪質。
カラーや縮毛矯正、ブリーチなどの施術履歴。
普段どんなスタイリング剤やアウトバスケアを使っているか。
こうしたものを一緒に見ながら考えることで、自分に合うシャンプーが見つけやすくなります。
STEP1|まず「頭皮」を見る
シャンプーを選ぶとき、毛先の手触りばかりを気にしてしまうことがあります。
ですが、シャンプーは頭皮にも直接触れるものです。
まずは自分の頭皮が、乾燥しやすいのか、ベタつきやすいのか、特に問題を感じていないのかを考えてみてください。
たとえば洗ったあとに頭皮がつっぱる感じがある人の場合、洗浄力が自分には強すぎる可能性があります。
反対に、夕方になると根元が重くなる人や、毎日スタイリング剤を使う人の場合は、洗浄力が弱すぎると汚れや油分が残りやすく感じることがあります。
ここで大切なのは、「洗浄力が強い=悪い」「やさしい=良い」と単純に考えないことです。
その人の頭皮や生活に合っているかが大切です。
「何を使ってもベタつく」という人に私が見ること
実際にお客様を担当していると、「シャンプーを変えても、何を使っても髪がベタつくんです」という相談を受けることがあります。
こういう場合、私はシャンプーだけを見るわけではありません。
- 毎日使っているスタイリング剤
- オイル
- バーム
- ワックス
- 洗い流さないトリートメント
こうしたものが髪に少しずつ残り、油分や皮膜が重なって髪が重くなっている場合があります。
その状態で「もっとしっとりするシャンプー」に変えてしまうと、さらに重たく感じることもあります。
このような場合には、一度、専用のクレンジングシャンプーを取り入れて余分なものを落とすという考え方が相性のいいことがあります。
ただし、クレンジングシャンプーは商品によって洗浄力も違います。毎日使えばいいというものではなく、その人の髪や頭皮に合わせて使用頻度を考えることが大切です。
「ベタつく=シャンプーが悪い」とは限らない。髪に何が残っているのかまで考える。これもシャンプー選びでは大切だと思っています。
STEP2|次に「髪質」を見る
細くて、水分を含みやすく、ボリュームが出にくい髪
髪が細い。柔らかい。濡れると水分を含みやすい。乾かしてもボリュームが出にくい。
こういう髪の場合、かなり重いしっとり系のシャンプーを使うと、根元がペタンとする、乾かしてもふんわりしない、髪が重たく感じるといったことがあります。
私はこのような髪質の場合、ボリュームアップタイプや、ツヤ・さらさら系など比較的軽い質感のシャンプーをおすすめすることがあります。
ただし、軽い仕上がりのシャンプーは、その人によっては毛先のパサつきを感じることがあります。
その場合は、シャンプーは軽めにして、毛先はトリートメントで補う。という考え方が大切です。
水分を含みにくく、比較的ダメージしにくいけれどパヤつく髪
反対に、髪がしっかりしていて、濡れても水分を含みにくいように感じる髪もあります。
こうした髪は比較的しっかりしている一方で、表面に細かいパヤつきが出る、硬く感じる、広がって見えるという悩みにつながることがあります。
このタイプの場合は、しっとりまとまりやすい質感のシャンプーが合いやすいことがあります。
同じ「パサつく」という悩みでも、細くて軽い髪と、太くてしっかりした髪では、私が選ぶシャンプーは変わります。
だからこそ、「パサつくから、とにかくしっとり」だけで決めないことが大切です。
STEP3|ダメージと施術履歴を見る
ここは、私が美容師として特に大切だと思っている部分です。
同じ髪質でも、カラーをしていない髪、毎月カラーをしている髪、縮毛矯正をしている髪、ブリーチをしている髪では、状態が違います。
だからシャンプー選びでは、元々の髪質+今まで髪に何をしてきたかまで考える必要があります。
縮毛矯正をしている人の場合
縮毛矯正をしている人の場合、しっとりまとまるシャンプーが合うこともあります。
ただ、私は何でも重くすればいいとは考えていません。
イメージとしては、ツヤ・さらさら系と、しっとり系の中間くらい。
そのうえで、保湿や補修を意識した成分が比較的充実しているものを選ぶことがあります。
縮毛矯正をしている髪は、見た目がストレートで綺麗でも、薬剤や熱を使った履歴があります。
特に、カラー+縮毛矯正、縮毛矯正を何度も繰り返しているという場合は、毛先に負担が蓄積していることがあります。
だから私は、「ストレートで綺麗に見える=ダメージしていない」とは考えません。
ブリーチをしている人の場合
ブリーチをしている人には、色持ちを意識したカラーケア系のシャンプーを選ぶことがあります。
ただ、ブリーチをしている方に私が一番伝えたいのは、シャンプーだけで髪を綺麗にしようとしないことです。
ブリーチ毛の場合は、シャンプー、トリートメント、アウトバストリートメント、乾かし方、アイロンの温度。こうしたホームケア全体がとても大切になります。
特にトリートメントやアウトバスケアをしっかり行うことは、毎日の扱いやすさを考えるうえで重要です。
色持ちを考えるシャンプーを使う。そのうえで、毛先のケアは別でしっかり行う。という考え方です。
「頭皮」と「毛先」は同じ状態ではない
これは、ぜひ覚えておいてほしいことです。
実際のお客様でも、頭皮はベタつくのに、毛先は乾燥しているということは珍しくありません。
この場合、「毛先が乾いているから、全部しっとりさせよう」とすると根元が重たくなることがあります。
反対に、「頭皮がベタつくから、全部すっきり洗おう」とすると毛先の乾燥が強く感じることもあります。
だから私は、頭皮と毛先を分けて考えることがあります。
シャンプーでは頭皮を適切に洗う。毛先はトリートメントで補う。必要であればアウトバスケアを使う。
このように、それぞれに役割を持たせることができます。
自分に合うシャンプーを整理すると
| 今の状態 | 選ぶときに意識したいこと |
|---|---|
| 頭皮が乾燥しやすい | 洗浄力が自分に強すぎないか |
| 何を使ってもベタつく | スタイリング剤や油分の蓄積も確認する |
| 細毛・ボリュームが出にくい | ボリューム系・軽い質感 |
| 細毛だけど毛先がパサつく | シャンプーは軽め+トリートメント |
| 水分を含みにくくパヤつく | しっとり・まとまり |
| 縮毛矯正毛 | 軽さとしっとり感のバランス+ケア |
| ブリーチ毛 | 色持ちを意識+トリートメント・アウトバス |
| 頭皮ベタつき+毛先乾燥 | 頭皮と毛先を分けて考える |
シャンプー1本ですべてを解決しようとしない
ここまで読んでもらうと分かると思いますが、私がシャンプーを選ぶときは、「この一本ですべて解決する」とは考えていません。
シャンプーには、シャンプーの役割があります。トリートメントには、トリートメントの役割があります。アウトバスケアにも役割があります。
たとえば、細い髪ならシャンプーは軽めにして、毛先をトリートメントで補う。ブリーチ毛ならカラーケア系のシャンプーを使いながら、トリートメントやアウトバスもしっかり使う。ベタつきが強いなら、一度クレンジングを取り入れて髪に残っているものを落とす。
このように、その人の髪に足りないものを、それぞれのケアで補っていく。私はこの考え方を大切にしています。
美容師に相談するときは「悩み」を伝えてください
👤 お客様
「私には、どんなシャンプーが合いますか?」
もちろん、この聞き方でも大丈夫です。
ただ、もう少し具体的に、
「毛先はパサつくんですが、頭皮は夕方になるとベタつきます」
あるいは、
「縮毛矯正とカラーをしています。最近毛先が引っかかります」
と伝えてもらえると、美容師側もより細かく考えることができます。
私なら、頭皮の状態、髪質、ダメージ、施術履歴、普段のスタイリング、求めている仕上がりなどを見ながら考えます。
商品を売ることが目的ではありません。
その人が毎日、自分の髪を扱いやすくすること。そこが一番大切だと思っています。
高いシャンプーより「自分に合うシャンプー」
高価なシャンプーを使えば、必ず髪が綺麗になるわけではありません。
反対に、市販だから悪いというわけでもありません。
大切なのは、今の自分の頭皮・髪質・ダメージ・生活に合っているか。
そして一度選んだシャンプーが、ずっと自分に合い続けるとも限りません。
カラーをした。縮毛矯正をした。ブリーチをした。髪を伸ばした。スタイリング剤を変えた。季節が変わった。
髪の状態が変われば、必要なケアも変わります。
まとめ|シャンプーは「商品名」より先に自分の髪を知る
シャンプーを選ぶ前に、頭皮はどうなのか。髪は細いのか、しっかりしているのか。どんな施術をしているのか。今、一番困っていることは何なのか。
まずは自分の状態を知ってみてください。
そして分からなければ、担当している美容師に相談してみてください。
シャンプーは毎日使うものです。一回の使用では小さな違いに見えても、毎日のホームケアは積み重なっていきます。
だからこそ私は、一番高いものを選ぶことより、自分に必要なものを理解して選べることの方が大切だと思っています。
MONVIAは、誰かに言われたものをただ選ぶのではなく、自分に必要なものを知り、自分でより良い選択ができるようになることをこれからも伝えていきます。
誇りを胸に。信念を力に。
MONVIA
生き方を、鍛える。

