髪一本一本が太い。
ハリやコシが強く、触ると硬さを感じる。
カラーやブリーチを頻繁にしているわけではなく、ダメージは比較的少ない。
美容師をしていると、このような髪質のお客様を担当することがあります。
こうした髪の場合、私は「硬いからダメージケアを強くする」とは考えません。
むしろ大切なのは、健康な髪に必要以上の重さを足さず、サラサラ感や柔らかさを出して扱いやすくすること。
今回は、髪が硬い・太いけれど比較的健康な方に向けて、私がシャンプーを選ぶときに考えていることを紹介します。
硬い髪=ダメージしている髪ではない
髪を触ったときに硬さを感じると、「傷んでいるのかな?」と思う方もいるかもしれません。
もちろん、ダメージによって髪の手触りが変わることはあります。
ただ、もともと髪が太い、ハリ・コシが強い、弾力がある、カラーなどによるダメージが少ない、という方は、健康な状態でも髪が硬く感じられることがあります。
だから私は、硬い=補修が必要とはすぐに判断しません。
まず、髪の太さ、施術履歴、根元と毛先の状態、普段使っているスタイリング剤、そして本人がどんな髪になりたいのかを確認します。
硬くて健康な髪は、水を弾きやすいと感じることがある
私がサロンワークで髪を見ていると、硬く、太く、比較的ダメージが少ない髪の中には、水を弾きやすく、濡れるまで少し時間がかかるように感じるタイプがあります。
いわゆる「撥水毛」と表現されることのある髪です。
もちろん、硬い髪がすべて同じ状態というわけではありません。
ただ、このような髪に対して私は、強いダメージ補修を重ねることよりも、髪の硬さをやわらげ、扱いやすい質感へ近づけることを意識します。
硬い健康毛は「補修」より「柔らかさ」を考える
ダメージが少ない髪の場合、必要以上に重たいダメージケアをする必要がないこともあります。
そのため私は、軽さやサラサラ感を残しながら、髪を柔らかく扱いやすくしてくれるシャンプーを選ぶことがあります。
シャンプーに求めるのは、とにかく重たくすることではありません。
保湿やコンディショニングをしながら、洗った後に髪が重くなりすぎない。指通りが良い。サラサラ感が残る。という仕上がりを一つの基準にします。
つまり、硬さを重さで抑え込むのではなく、柔らかい質感へ近づける。という考え方です。
健康毛なら頭皮ケア系のシャンプーも選択肢になる
髪そのものに大きなダメージがない場合、シャンプーを「髪の補修」だけで選ばなくてもいいと私は考えています。
たとえば、髪は比較的健康。でも頭皮のベタつきが気になる。汗をかきやすい。頭皮の乾燥が気になる。という場合です。
こうした方なら、頭皮の状態に合わせてシャンプーを選びながら、髪は軽くサラサラに仕上げるという選び方もできます。
健康な髪に対して、毎日強いダメージケアを重ねることだけがホームケアではありません。
髪が比較的健康だからこそ、頭皮を基準にシャンプーを考えられる場合もあります。
シリコン入りだから悪いとは考えない
「ノンシリコンの方が髪にはいいですか?」と聞かれることがあります。
私は、シリコンが入っているという理由だけで、悪いシャンプーとは判断しません。
髪の滑りや手触りを整える目的で使われることもあります。
硬い健康毛の場合も、使った後に髪が重くならず、サラサラしている。扱いやすい。本人が求める質感になっている。のであれば、シリコン入りでも選択肢になります。
大切なのは、「入っている・入っていない」ではなく、その髪に合っているか。です。
健康な髪ほど、スタイリング剤のつけすぎも確認する
ここは、私が実際のサロンワークでよく見るポイントです。
比較的健康な髪の方でも、「もっと柔らかくしたい」「もっとまとまりを良くしたい」「パサつきを抑えたい」と思って、ヘアオイル、バーム、トリートメント、スタイリング剤などを重ねていることがあります。
すると髪自体のダメージが大きくなくても、油分やスタイリング成分が髪の表面に蓄積している場合があります。
その結果、本来の髪の質感が分かりにくくなったり、パサついているように感じたりすることもあります。
だから、健康な髪なのに最近パサつく=ケアが足りないとは限りません。
逆に、つけすぎている可能性も私は確認します。
健康毛なのにパサつくなら、クレンジングシャンプーという選択肢も
比較的健康な髪なのに、最近パサパサする。手触りが変わってきた。スタイリング剤を毎日たくさん使っている。という場合、私はスタイリング剤やトリートメントの蓄積も考えます。
そのときは、クレンジングシャンプーを取り入れることがあります。
パサついているからといって、さらにオイルやトリートメントを足し続けるのではなく、一度余分なものを落として、髪本来の状態を確認する。という考え方です。
ベタつきや蓄積については、「シャンプーしても髪がベタつく原因は?美容師が実際によく見る5つの原因」でも詳しく解説しています。
クレンジングシャンプーは3日に1回程度を目安にすることもある
スタイリング剤をよく使う比較的健康な髪の場合、私は髪の状態を見ながら、3日に1回程度を一つの目安としてクレンジングシャンプーを提案することがあります。
ただし、すべての人に3日に1回が適しているという意味ではありません。
カラーやブリーチ、縮毛矯正、頭皮の乾燥、使用しているスタイリング剤の量、普段使用しているシャンプーなどによって頻度は変わります。
大切なのは、毎日強く洗うことではなく、必要なタイミングでリセットすること。です。
硬い髪だから「一番しっとり」を選ぶ必要はない
髪が硬いと、「一番しっとりするシャンプーの方がいいのかな?」と思うかもしれません。
ですが、私は必ずしもそうは考えません。
ダメージが少なく髪自体がしっかりしているのであれば、必要以上に重たい仕上がりにするより、サラサラ感や柔らかさを出せるシャンプーの方が合う場合もあります。
もちろん、「多少重くなってもボリュームを抑えたい」という方もいます。
だから最終的には、硬い髪だから何を使うかではなく、今よりどうなりたいのか。で決めます。
私が硬い健康毛のシャンプーを選ぶときに見ること
私がこのタイプの髪を見るときは、「硬い髪用」という言葉だけでは決めません。
本当にダメージが少ないのか。髪は水を弾きやすいのか。頭皮はどんな状態なのか。普段何をつけているのか。スタイリング剤が蓄積していないか。
そして、本人がどんな質感になりたいのか。を確認します。
たとえば、「硬さをもう少し柔らかくしたい」「軽くサラサラにしたい」「根元は軽いままにしたい」「頭皮もきちんと洗いたい」などです。
同じ硬い髪でも、求めている仕上がりによって選ぶシャンプーは変わります。
シャンプー選びの基本的な考え方は、「美容師が教える、自分に合うシャンプーの選び方|髪質・ダメージ・頭皮別」でも解説しています。
まとめ|硬い健康毛は「重くする」より「柔らかく、軽く」
髪が硬い・太いからといって、必ずしもダメージしているわけではありません。
比較的健康で、ハリ・コシが強く、水を弾きやすいと感じる髪もあります。
こうした髪に対して私は、重たいダメージケアをどんどん足すことより、髪を柔らかく、軽く、扱いやすい質感にすることを考えます。
サラサラ感を残す。保湿やコンディショニングをしながら重くしすぎない。髪が健康なら頭皮を基準にシャンプーを選ぶ。シリコン入りかどうかだけで判断しない。
そして、健康なのに急にパサつきを感じたら、スタイリング剤やトリートメントの蓄積も確認する。
必要であればクレンジングシャンプーを取り入れる。
私は、髪質 × 現在の状態 × 普段つけているもの × なりたい質感を見ながらシャンプーを選んでいます。
硬い健康毛だからこそ、重くするのではなく、柔らかく、軽く、サラサラに。
これがシャンプー選びの一つの考え方です。
誇りを胸に。信念を力に。
MONVIA / 生き方を、鍛える。

